もやい、新宿ごはんプラス食糧支援取材報告

自立生活支援センターもやい、新宿ごはんプラスの活動を取材してきました

物価高、円安による生活困窮について、以前から食料配布活動や子供食堂の活動を報道で知ることはあっても、実際目にする機会はなかったので、一度様子を見に行ってみようと月例会で決まりました。

11月12日(土)午後2時から都庁前で行われている生活困窮者のための食料配布会は、NPO法人自立生活サポートセンター もやいと任意団体新宿ごはんプラスが共催して行っている支援活動です。単なる食料配布だけでなく、生活相談、医療相談なども行っています。

この日は11月にしては暖かい日でした。参加者は粟谷、岩津、小野、松尾、古野の5名です。せっかくの新宿、コロナがすこし落ち着いたからか、都庁の展望台が公開されていたので、行ってみましょうということになりました。コロナの影響で展望台が開放されている情報が行き渡っていないのか、すぐにエレベーターで展望室まで行くことができました。新宿御苑、明治神宮、代々木公園、立ち並ぶ高層ビル群を眼下に収めるのは気持ちのいいことでした。ただ、小さいなお子さんや車いすの人が景色を楽しめる場所は限られていました。
開放された窓は車いすの粟谷さんには見えにくいものでした。

その後コンビニで思い思いの昼食を買い、西口公園に行くのですが、都庁の隣の公園にもかかわらず、車いすやベビーカー対応になっていない歩道橋、自転車用の幅の狭いスロープを車いすの車輪ギリギリに押上げました。ベビーカーの人たちも同じように押し上げていました。

食事をしながらゆっくりおしゃべりをして、また都庁脇に戻るのですが、都庁につながる通路ならば便利だろうと思いましたが、こちらもやはり、警備員さんに案内して頂き、大回りしなければなりませんでした。

せっかくの大きな公園。アクセスをよくしてくれたら楽しめる人がもっともっと多いはずです。なんだか残念なことがたくさんでした。

食料配布は午後2時開始ですが、早い人は午前10時には配布場所に座って待っていました。ずいぶん早いと思いましたが、実際配布時間になると500人くらいの列ができていました。配布物は果物も入り、大きめのレジ袋に半分くらいの食料でした。配布を受けたことのある人の話を聞くと、災害時用の五目御飯など味もよく、美味しいものが入っているとのことでしたが、節約しながら食べてとても1周間はもたないとのことでしたが、この活動には感謝したいとのことでした。

500人以上の行列だったようですが、列のほとんどの人が、たぶん普通の生活をしているであろう様子の人たちだったことが驚きでした。お年寄りが多かったように感じました。

配布物が列の最後の50人くらいに行き渡らず、配布スタッフが急遽追加の支援袋をつくり、並んだ人全員に配布物が行き渡ったのを見て、ほっとしました。

東京新聞によると、コロナ禍で年明けから500人前後で推移していて、600人に達するのは年末と想定していたが、予想以上に早いペースで支援を必要とする人が増加しているとのことです。6回分の予定配布物が5回でなくなってしまう。このままだと支援が必要な人全員に食料が行き渡らなくなる日が来ること
が危惧されるとのことです。

円安が進み、物価も高くなった。それは実感できていましたが、明日の食料に困る人たちがこれほどまでに多い現実に驚きました。明日は我が身かもしれない。

防衛予算を増加するなら、まず、せめて日々の食料に困らない生活ができるような支援を考えてほしいと国に強く要望したいと感じながら、虚しい気持ちで都庁前を後にしました。