第7回判例研究プロジェクト(2016.1.15)

開催日 28年1月15日 午後18時
出席者 9名

教育の事例に入りました。

七生擁護学校事件

養護学校内で性的問題が多発し、校内で自己肯定感を育てるための性教育「こころとからだの学習」が行われるようになり、東京都教育委員会を含む各方面から高い評価を受けていたが、2003年都議が七生養護学校の教育に異を唱え、教師に対する対処を求めてきた。
その後都議らが七生養護学校を視察し、こともたちにわかりやすい教材が持ち去られた。
各学校にも不適切な性教育を行わないよう指導がされ、性教育の指導時間も大幅に縮減され、人形や模型を使う指導が制約され、七生養護学校の3分の1の教員が異動になった。

判決

2005年5月提訴
原告 七生養護学校の教員29名、保護者2名
被告 東京都、都議3名
慰謝料、教材返還等請求

東京地裁平成21年3月12日判決

都議らの行動は、教育の自主性を阻害し、歪める危険のある「不当な支配」にあたり、視察時の言動は原告教員らを侮辱した。
都教育委員らは都議らの言動から職員らを守る義務があるのにそれを行わなかった義務違反がある。
教員らに対する厳重注意は、事前の研修・指導などを欠く不適切なものであり、裁量権の濫用である。
として、損害賠償請求を命ずる判決を下した。

東京高等裁判所平成23年9月16日判決

一審判決を維持。

議論

私達は子供のころどんな性教育を受けたか

  • 年代的に高いので、男女を分けた授業で先生も照れながら簡単な入り口だけの授業で済まされていた。
  • 異性に興味を持つのは自然。障がいの有無に関係ない。
  • 子供達に不本意な過ちがあってはならない。性教育はしっかり行うべき。
  • 普通学校に通っていた軽度の障害のあるお子さんは、周りの影響を受け、自然に性に対する興味や知識が入ってきた。
  • 朝射精できなくて、路上で困惑している障がいをもっている人に出会ったことがある。福祉作業所の指導者は、朝、射精することを通所してくる男子に教えたと聞いた。こういった指導が受けられない子供は、自分が異性にばかり執着する異常者ではないかと心配し、悶々とした時間をすごす意外にない。
  • しっかりとわかりやすく、性教育することは必要。

自分の時代はどうだったか、子供はどうやって性に関する知識を得たのか、と本当に身近なことであるので、一言言いたい人がたくさんいて、時間が足りないくらいでした。

下市中学入学拒否事件

どんないじめを受けたことがあるか、見たことがあるか、一人ずつ報告し合った。軽 度の知的障がいのあるお子さんの職場でのいじめも話題になった。
割合勉強ができたのでいじめは受けなかった人や生徒よりも先生が生徒に対してひどい扱いをしていたことの報告、そして、最終的に、「いじめは犯罪です」というところで意見が一致した。