第3回裁判学習プロジェクト(2015.7.10)

開催日 27年7月10日(金)午後6時~8時
出席者 6名

職場の合理的配慮に関し、裁判事例を検討した

ヤマトロジスティクス事件-職場における合理的配慮-東京高裁

障害者権利条約では、締約国に「職場において合理的配慮が障害者に提供されることを確保すること」を28条で求め、合理的配慮を提供しない場合は差別にあたるとしている。

ヤマト運輸に2002年入社のAさん、2003年会社の組織変更によりヤマトロジスティクス(株)にパート社員として雇用された。その翌年の2004年には好きなテレビや音楽に興味を示さなくなり、体重が著しく減少した。2005年会社から時間短縮を言い渡され、家に帰ったAさんは母親に「会社に行きたくない」と訴えた。その数日後の2005年3月4日Aさんは自殺した。

職場の同僚にAさんの障害について知らされていなかった。
自閉症についての合理的配慮がなかった。

議論

古野さんは自閉症協会の役員をしていたが、Aさんは自閉症協会の会員であり、配送の仕事、分別・在庫チェックなどを行い、障害者雇用の象徴的な存在だった。
自閉症協会としてもこの裁判はずっと見守り続けた。

結論

和解へ
和解金の支払いと今後の障がい者雇用を継続すること、以下について合理的配慮を行うことを約束した。
合理的配慮の内容については、従業員に障害について学習させる。
職場への適応が難しい場合はジョブコーチをつける。
家族との連絡、調整を密にする。