会報に同封しましたこどもたちと弁護士さんでつくる創作劇「ひとりぼっちの子守歌」が8月23日北区の北とぴあさくらホールで、東京弁護士会主催、北区共催で行われました。
銀座通り法律事務所の丸田憲和弁護士が劇中でも弁護士役で出演、登坂真人先生も出演されることもあり、昨年に引き続き見に行きました。満席の観客が胸をつまらせました。
東京弁護士会の紹介文を以下にご紹介します。
「もがれた翼」とは、「子どもの人権110番」に寄せられる様々な問題を中心に、毎年、異なったテーマを選び公演してきた、子どもたちと弁護士でつくるお芝居です。
1994年の子どもの権利条約の批准を機にスタートし、今年でパート21となります。「もがれた翼」をきっかけに、日本で初めての子どものためのシェルターが出来るなど、現実の社会に対して大きな影響を与えてきました。
今年のテーマは「特定妊婦への支援」です。
毎年、虐待により命を奪われる子どもは全国で100人前後にのぼっており、うち0歳児が全体の4~5割を占めています。虐待死を防ぐには、若年妊娠等により妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする「特定妊婦」を、関係機関が連携してサポートする仕組みが必要です。
これまで私たちは、虐待され、傷を負った子どもたちを救おうと、奔走してきましたが、10代の彼女たちが、私たちの前に妊婦となって再び現れるケースが出てきています。支援を必要としているにもかかわらず、子どもを取りあげられてしまう不安等から関係機関からの連絡を拒否したり、SOSが届かずに支援の網から漏れてしまうことがあります。
様々な不安を抱えるなかで、追い詰められた母親のストレスは、最も身近にいる、愛する子どもに向かってしまう現実があります。
一人のかけがえのない命が失われないために、何が必要なのか、皆さんと一緒に考えたいと思います。」
とありました。
家族に恵まれず1人で生きることを余儀なくされたまやが17歳で妊娠し、出産を決意し、出産します。「望まない妊娠」「若年妊娠」等で、妊娠期からの継続的支援を必要とする妊婦を特に「特定妊婦」と位置づけているそうです。出産を決意し、母子支援施設(母子寮)に入所するのですが、親の愛情を受けずに育ったまやは経済的な問題、子育ての難しさに行き詰まってしまいます。子どもを抱え、あれた生活の中で、まやがシェルターに保護された時の子ども担当弁護士や家庭支援センターにかかわる保健師さんや福祉事務所の人々、看護師さんなどに支えられながら子育てを軌道に乗せていく様子が描かれていました。一方、同じように若年妊娠したりかに支援の手は届かず、堕胎の道を選びます。 本人と子どもを支える周囲の大人たちの継続的なきめ細かな対応と、関係機関の協働の大切さを感じました。負の連鎖を断ち切るには、信頼できる支援者の愛情あるかかわりが何より必要なことも改めで感じました。
来年もまた別のテーマで上演されると思います。子どもの人権の観点から是非関心をもってご覧下さい。
パンフレット中に用語解説がありましたので、子どもの人権を守るためにどのような組織がかかわっていくのか以下に記します。機会がありましたら、是非調べてみて下さい。
付添人
当番弁護士制度
特定妊婦
社会福祉法人カリヨン子どもセンター
子ども担当弁護士
母子生活支援施設(母子寮)
子ども過程支援センター
乳児院・児童養護施設
除算施設